復活!できないところが、できるようになるもと!
小3のMちゃんは、2-27のプリント(引き算縦式3桁-3桁)をやっているのですが、2-25(引き算縦式2桁ー2桁)のプリントになるころから、家に持って帰った宿題が毎日できなくなりました。このプリントは、繰り下がりが出てくる3桁の数どうしの引き算ですから、どの子も少し苦労するところです。
27ー6(引き算縦式2桁-2桁)のプリントから2-27に入って、急に時間がかかるようになったので、どんなやり方をしているのか見ていると、2-26までの2桁の引き算では書いていなかったのですが、上の1桁の数字の上に10を書いているのです。そこで、目安時間までやったところでストップウォッチを止めて、「なぜここに10って書いたの?」と聞くと学校ではそうやっているといいます。
そこで、横式の引き算プリント2-21を見せて、「例えば、13-5はいくつ?」と聞くと「8」と答えられるのを確認して、もう一度2-27に戻り、「ここに1を書いたら13になるでしょ、この13から5を引いたらいくつ?」「8」「じゃ、となりの7から1を引いたら?」「6」「じゃあ、この6から2を引いたら?」「4」と、順序立てて聞くとできるので、「ここに書く数字は1の方がわかりやすいと思うんだけど、本当にそうかどうか、あと3行だけ試しに1を書くやり方でやってみない?」「うん」
やり終えたあと「どっちのやり方の方が楽?」と聞くと「1を書く方!」というので、
「じゃあ、今週はこのやり方でやってみようか?」「うん」ということになり、2-27を6枚宿題に持って帰りました。
でも、次の週も家で1枚だけやっただけで、なかなか毎日ができません。時間もかかっています。つまり、数字の書き方を変えても、繰り下がりがある3桁どうしの縦式の引き算は一つの式の中で4回引き算をしなければなりませんからかなり面倒くさいので、なかなかやる気がしないプリントといって良いでしょう。
そこで、今週は、こんな提案をしてみました。
「このプリント、面倒くさいでしょ!みんなここで苦労するんだけど、面倒くさい、大変だと思うとなかなかプリントやる気になれないよね。最後までやろうとすると大変だから、今週は特別目安時間だけ(目安時間10分のプリントで11分だけ)やるということにしようか?」と聞くと、「うん」。そして次の週。やったのは1枚でした。
教室で一枚やってみると目安10分のところ17分でした。そこで、また今週は別の提案をしました。「いいねー。こういうなかなかできないプリントをどうすればできるようになるかを考えるのが面白いんだよね。じゃあ、今週は、半分ずつやって、二日で一枚やることにしようか?絶対それ以上やっちゃダメだよ!」
次の教室の日、Mちゃんの足音が軽く聞こえます。入ってきた表情も前回とは違います。「どう?できるMちゃんが復活した?」と聞くと「うん!」
差し出した宿題を見ると毎日きちんと半分ずつやってあり、半分の上にその日の時間が書いてあり、合計の時間が記録されてあります。そして教室で1枚最後までやってみると時間は12分に縮まっています。
そこで、記録表を一緒に見ながら、「毎日できない日は、3週間で5分しか縮まらなかったけど、今週は1週間で5分縮まったね。大変なプリントでも、『やらない』じゃなく、『できるところまでやる』と決めて、やってみると、嫌々やるよりもずっとできるようになるよね!ところで、今週はどうする?もうそろそろ最後までやってみない?」と聞くと、明るい顔で「うん!」さてさて、今週はどうなることでしょう。楽しみです。
こんなふうに、子どもたち一人一人に出てくる壁はそれぞれに違っていて、それを乗り越える方法も同じではありません。たまたま、Mちゃんには、今週はこの方法が背中を押してくれたというだけかもしれません。でも、苦労しながら、少しずつ自分の課題を乗り越えていく子どもたちを見ていると、つくづく、できないところが人を育むということ、そして、子どもはみんなできるようになりたいと思っているということを実感するのです。
| 固定リンク


コメント