子どもに聞いて「やらない」という返事が返ってくるのがはっきりしているとき
『長男は小3なんですが、脳性マヒで生まれて、車イスで生活しているため、地元の小学校ではなく、ちょっと離れたところの学校へ通っているんです。今度、妹が小学校に入るにあたって、「地元の小学校にするか、兄と同じ学校がいいか」と本人に選ばせたところ、最初は兄と同じ学校がいいと言っていたので、すべて手続きを終えたところ、幼稚園の卒業式が終わったあたりから、みんなと別れるのが悲しくなったようで、「みんなと同じ学校がいい」と言うようになったんです。兄と同じ学校にいけば、兄のことで起こる問題も引き受けるようになりますから、私は妹だけを兄の問題の外に置きたくないんです。本人の希望を無視することもよくないと思うし、どうしたらいいのでしょう?』
こう聞かれたセルフラーニング研究所所長の平井雷太さんは次のように答えました。
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●『おそらく、ここで起きてしまった問題は、本来はお母さんが決めるべきところをその判断を子どもに任せたところにあると思うのです。どっちの学校に行きたいかを子どもに聞けば、兄と同じ方に行きたいというに違いないと思っていた。そうすれば、お母さんが行かせたのではなく、本人が自分で選んだからになる。だから、娘さんがやっぱり地元の学校がいいと言ったとき、お母さんに動揺が起きた。子どもに聞く前から、お母さんの中にどうさせたいかがはっきりしているなら、子供に選ばせることはしないと思うんです。一見、聞いているように見えても、聞いているふりをしているだけで、本当はそうではないのです。』
●さらに『これは、らくだのプリントについても言えることです。絶対にやらせたいと思っているのだったら、「やるの?やらないの?」という問いは絶対に出してはダメなのです。「お母さんはやって欲しいけど、自分の問題だから、とりあえず、一週間やってみて、どうするか決めたら」。と提案するとか、言う時期を見計らうとか、聞いて「やらない」という返事が返ってくるのがはっきりしているとき、それを聞いたことで不満が残るなら、聞かない方がいいと思うのです』。
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☆私の教室に来ている子のお母さんが、同じようなことをするのに気がつくときがあります。例えば、今まで順調に学習が進んできていたのに、ある日突然壁にぶつかり、自分で選んだ宿題であるにもかかわらず毎日プリントをすることができなくなったとき、そんな子供の姿を見て「そんなにプリントやるのが嫌なら、やめちゃえば!」と言ったところ、その子は、本当に辞めてしまいました。お母さんがあせってもあとの祭りでした。
☆その子にとって、壁を乗り越える一番大切な時期に、学んでいく事をやめてしまう後押しをしているということになります。本当はそうしてもらいたくないことを脅しのつもりで使って、逆手にとられているだけではないでしょうか?
私は、本当にやめてほしいときでさえ「やめたら」と言うタイミングはとても難しいと思っています。子どもが、やめたくないと思っているのに、その一言で可能性の芽を摘むこともあると思うのです。
☆教室で、子どもたちと向き合っていると、「その子にとって今必要なことをどう伝えるか?」ということを、いつも考えていなければなりません。親としても、「自分の子どもにどんな力をつけたいのか?何を伝えたいのか?」をいつも問われているような気がしています。
生徒と先生、親と子という関係を少しはなれて、自分の気持ちが相手に伝わるということがどういうことなのかを考え続けたいと思っています。
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